【目からウロコの新常識】こどもの本能に寄り添う、「70点の食育」とは?
2015/06/24

【目からウロコの新常識】こどもの本能に寄り添う、「70点の食育」とは?

子育て中のママ共通の大きな悩み、関心ごと、それは「食育」。好き嫌いがある、食が細い、野菜嫌い、おやつはどうしたらいいの? などなど、悩みは尽きませんよね。

なんといってもこどもの健康第一。そのためには好き嫌いなく、バランス良く食べさせなきゃ、というのが親心なのですが、思うようにいかないのが、こどもというものです。うーん、どうしたらいいの?

アドバイスをもとめて、『なぜ、子どもはピーマンが嫌いなのか?』など、食育についてユニークな著書をもつ幕内秀夫先生をお訪ねしました。

「こどもの食事を、ああしなきゃ、こうしなきゃって思い込んでいるお母さんが多いけど、でも、こどもの食は十人十色。お手本もルールもないので、考えすぎないことですよ」と幕内先生。

え、ルール、ないんですか? たっぷりの野菜、良質のたんぱく質、バランスよく食べさせて、えーっと、それから、それから...。

「大人とこどもはそもそも違う生き物です。大人の情報や正論でこどもの食育を考えるのが間違いのもと」と、幕内先生はおっしゃいます。

こどもの本能は偉大! 身体に必要なものがわかっている

先生のお話によると、こどもは本来「身体が必要な物を、身体が必要としている量だけ食べる」ことを本能的に知っているのだそうです。野菜が嫌いなわけもこの本能が関係しているそう。

基本的には、ごはんとみそ汁があればOK。エネルギーのもとになるごはんと、身体の大半を占める水分は必要不可欠ですが、食べ方にムラがあろうと、好き嫌いがあろうと、よけいな心配はしなくていいのだそうです。大人は情報で考え過ぎて、それをこどもに当てはめようとしているのだと。確かにそうかも...。

こどもの食事で大切なのは楽しい食事の時間。ママが目を吊り上げて「ダメダメ、残さず食べて」とキリキリしていては、食事そのものが楽しくないし、無理矢理食べたところで栄養になりませんよね。

そして、こどもにとっては「空腹感が大切な調味料」ということも先生はおっしゃっていました。身体をいっぱい使って遊んで、「お腹が空いたー」という状態ならば、しっかり食べられますね。

優等生でなくてもいい。目指せ「70点」の食卓!

ママたちのアンケートを見ると、食育のために「料理を手伝ってもらう」、「ベランダ菜園で野菜を育てて食べる」、「味覚を育てるためにいろいろな味つけの料理を用意する」などさまざまな心がけをしているようです。

幕内先生がおっしゃるには、「食育」と構えてそんなに無理をしなくても、親が食べることを楽しんでいる姿を見せればOKとのこと。「〜〜しなければ」「〜〜すべき」と、まじめなママほど考え過ぎてしまいがちですが、食事については、そんなに優等生でなくても大丈夫なよう。

「70点の食事を心がければいいですよ」と幕内先生。少し、気がラクになりました。下記の最低限のポイントをおさえて、目指せ70点! です。

<70点の食事をするポイント!>
  1. しっかり外遊びをさせよう
  2. 飲み物は「水か麦茶」
  3. 朝は「気楽に」ご飯とみそ汁(油を使わないので◎)
  4. こどものおやつは4度目の食事
  5. カタカナ食(パン、パスタ等)は日曜日のお楽しみ
幕内秀夫

監修:幕内秀夫[まくうち ひでお]

1953年茨城県生まれ。東京農業大学栄養学科卒業。管理栄養士。欧米模倣の教育に疑問をもち、伝統食と健康に関わる研究をおこなう。現在、フーズ&ヘルス研究所代表。主な著書に「粗食のすすめ」(新潮文庫)、「じょうぶな子どもを作る基本食」(講談社)など多数。

執筆者プロフィール

ふじもとかずこ

ふじもとかずこ

食と健康、そして手仕事系のライターを細々やってます。ムスメは来年ぴかぴかの一年生。子どもが寝てから、本を読む時間が最高に幸せ。北欧の手仕事が大好きで、子連れ北欧旅行をずーっと計画中(なかなか実現しません)。

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