「食べない!」こどもにどう対応すべき?食が進む3つのアイデア
2015/08/31

「食べない!」こどもにどう対応すべき?食が進む3つのアイデア

こどもの食が細いと親としても心配ですし、せっかく作ったのに食べてくれないとがっかりしてしまいますよね。そこで、「好き嫌いがなくなった!」「食が細かった子が食べるようになった!」など、おいしい給食が評判の新渡戸文化子ども園の管理栄養士、鮑子奈緒美先生にこどもの食が進むアイデアを伺いました。

アイデア1:「全部食べたよ!」というプラス体験を増やす

食が細い原因には元々の胃の大きさもありますが、「食べきれないかも」「食事って楽しくない」など食事に対するマイナスイメージがあるせいで食が進まないことも。「食事はこどもが十分に食べきれる量に調整します。その際、苦手なおかずだけ減らすのではなく、全体をまんべんなく減らすのがポイントです」と鮑子先生。

こどもは完食できると「全部食べられた!」という達成感が得られ、それを「よかったね」「すごいね」とほめることで自信がつき、食事が楽しくなるそう。ほかにも、料理の彩りをよくする、こどもの好きなキャラクター食器を使う、食卓での会話を弾ませるなどして、食事を楽しくする工夫が大切とのことです。

アイデア2:何でもやわらかくしすぎず、歯ごたえを大切に!

食べてくれないと「食べにくいのかな」と思って、食材をやわらかくしがちですが、これは逆効果な場合もあるそう。「1・2歳ならともかく、3歳以上はある程度歯ごたえがあったほうがおいしく食べてくれることが多いですね」とのこと。「以前は野菜をゆでていたのですが、蒸す調理法に変えたら野菜本来の歯ごたえが残り、園児たちがよく食べてくれるようになりました。蒸したほうが栄養価も高いのでおすすめです。ご家庭では電子レンジを使うと便利ですよ」。
また、食べやすいようにと食材を細かく刻みがちですが、これも「料理に応じて大きさを変えるほうが食べてくれます」とのこと。カレーの野菜はごろっと大きく、スープの野菜は細かく刻むなどなど、メリハリをつけることが大切なんですね!

アイデア3:フレンチコースのように一品ずつ出す

食が細い子は食卓いっぱいに並べられたおかずを見るだけでお腹いっぱいに。「そういうお子さんには、『今日はフレンチコースですよ』と言っておかずを一品ずつ出し、食べきったら次のおかずを出していくのもひとつの方法です」。これは実際に幼稚園で給食を食べてくれない子に対して行い、効果を発揮した方法なのだとか。毎回は大変かもしれませんが、たまにはこういった食事にするのも気分が変わっていいかもしれません。

最後に鮑子先生からメッセージ。「食が細いことを心配する気持ちはとてもわかりますが、健康に成長しているのなら大丈夫。食事自体も大切ですが、思いっきり遊ばせて心も身体も満たされた状態であれば自然とおなかが減り、ごはんをおいしく食べてくれると思います」。まずはたっぷり遊ばせて、「ママ、おなかすいた〜!」の一声で楽しい食事にしたいですね!


photo:中川正子
鮑子奈緒美

監修:鮑子奈緒美[あびこ  なおみ]

新渡戸文化学園・新渡戸文化子ども園管理栄養士。東京文化短期大学(現・新渡戸文化短期大学)を卒業後、東京都中野区の小学校で10年間栄養士を務めたのち現在に至る。著書『子どもも家族もぺろり完食!新渡戸文化子ども園のすごい給食』(新潮社)では園児が絶賛する給食レシピや幼児食のノウハウを紹介している。

「食べない!」こどもにどう対応すべき?食が進む3つのアイデア

この記事が気に入ったらいいね!しよう

hahacocoの最新情報をお届けします