健康
夏になるとよく耳にする、『手足口病』。なんと今年の夏は、この手足口病が大流行しており、全国の都道府県で警報基準を上回る患者数を記録したそう。しかも、最近は以前と比べて症状が重くなっているという話も...。
そんな気になるニュースが多い手足口病について、中野こどもクリニック院長の中野康伸先生にお話を伺いました。
手足口病ってどんな病気?
中野先生によると「手足口病は、こどもがかかりやすい三大夏風邪のひとつで通常3〜5日の潜伏期間後、手や足、口などに米粒大の水疱状の発疹が出る、急性ウイルス性感染症です」とのこと。夏風邪を引き起こすウイルスが原因なので、発熱や咳、鼻水など風邪の症状を伴うこともあるそうです。
特徴としては「くしゃみ・咳などの飛沫感染や、手や指で直接触れることで感染する接触(経口)感染でうつるため、保育園や幼稚園などで集団感染しやすく、実際に患者のほとんどが5才以下の乳幼児です」とのこと。また大人が感染することもあるので注意が必要だそうです。
重い病ではないけれど、甘く見過ぎるのはNG!
「今年はこの5年間で一番流行しています。今日も30人くらいの患者さんを診察しました」と、中野先生(7月13日取材時)。手足口病はだいたい隔年で流行するそうですが、今年は当たり年の中でも特に注意が必要なようです。
「手足口病は、年々症状が重くなっている傾向があります。水痘のように全身に発疹が出る、発疹の形状がひどい、かかったあとしばらくしてから爪がはがれてしまうケースなども報告されています」とのことなので、たかが手足口病と軽く見るのは禁物です。
さらに、「今年はコックサキーウイルスによる手足口病が流行していますが、このウイルスは、髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症を引き起こすリスクが高いと言われています」と中野先生は警告します。皮膚の症状以外に高熱が下がらない、嘔吐、呼吸障害など重症化のサインが見られたらすぐに受診した方がいいようです。
治療は対処療法が中心に。脱水にならないよう水分補給を心がけて!
手足口病には特効薬がないようなので、様子を見ながら自然治癒を待ちます。中野先生によると、「発疹は1週間程度続き、次第に茶色くなって消えます。かゆみが強い時には抗ヒスタミン剤を使ったり、口の中の発疹が痛い場合はうがい薬が処方されたりすることもあります」とのこと。
ホームケアの場合は、口の中が痛むのでうどんやゼリーなど喉ごしのいいものをあげるようにし、脱水症状をおこさないよう、こまめに水分補給させましょう。
また、手足口病は、複数のウイルスが原因なので、ワンシーズンにウイルスの種類が変わり複数回かかることもあるそうです。感染予防のため、うがいと手洗いを徹底しましょう。特に、手足口病にかかると2〜3週間は便にウイルスが排出されるそうなので、トイレ後の手洗いを念入りに行い、二次感染しないようしっかりと予防することが大切ですよ。
監修:中野康伸[なかの やすのぶ]
中野こどもクリニック院長(横浜市港北区)。医学博士。1994年の開院以来、多くのこどもの健康を見守り、保護者からも育児相談を受けながら、地域に根ざした"ファミリードクター"として活躍。また、育児や教育関連の雑誌や書籍の監修にも多数携わる。
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