健康
指しゃぶりやチックなど、こどもの気になる癖を見つけたら、どう対応すればいいのでしょう? "注意する"、"病院に相談する"、"放っておく"など、どれが正解かわからず悩みますよね。
今回は、こどもへの接し方から受診の目安まで、長年こどもたちを診てきた中野こどもクリニック院長の中野康伸先生に伺いました。
深刻になり過ぎないで!こどもに見られる特徴的な癖
中野先生によると、「鼻ほじりや指しゃぶりなど、鼻や口、耳などの"穴"をいじるしぐさが多いですね。それから、咳をする、瞬きをする、鼻を鳴らすという、いわゆるチックと呼ばれる癖も見られます」とのこと。爪をかむ癖は、乳幼児というより、学童期以降に見られるのだとか。
「こどもは、心に鬱々としたものがあると行動に出やすい」ため、大人よりも癖が出やすいそう。癖があると相当なストレスがあるのでは? と心配になりますが、こどもからすると、大人が思うほど深刻でない場合が多いようです。
では、こどもに癖が出たらどう対応するのが良いのでしょうか?
「癖を指摘したり、やめなさいと言ったりするのは、かえってこどもにストレスがかかることも。癖のほとんどは一過性なので、自然に治るのを待ちましょう」と中野先生。
また、癖が出やすい子とそうでない子がいますが、これは遺伝の影響が大きいようです。「こどもは親に似るもの。それを『自分のようになってほしくない』と考えるのではなく、自分自身を肯定し、『私もこどもの時はこんな感じだったけど、今はこうして普通にやれている』と考えることで気持ちが楽になり、こどもへの接し方も見えてくるのではないでしょうか」と先生は話していました。なるほどですね~。
癖が気になるなら、ママのカウンセリングもかねて受診を
「受診は、むしろ親御さんのカウンセリングのために必要かもしれません。人間は不思議なもので、人に悩みを打ち明けると気分が楽になるもの。お子さんの癖が心配なら、一度、かかりつけの医師に相談されるといいと思います」とのこと。親の不安は、こどもに通じやすいので、それがこどもの新たなストレスにならないようにしたいですね。
ただし、人をかむなどこどもの社会生活に支障が出るような癖がある場合や、癖が一向に治らず、エスカレートして悪化している場合は一度受診してみましょう。
最後に...中野先生からのメッセージ。「癖を心配する気持ちはわかりますが、ひとつの癖ばかりを注目しすぎないように。見るべきところはほかにもたくさんあるはずです。一緒に過ごすなかでお子さんのいいところをたくさん見つけてあげてください」。ひとつひとつの癖で深刻になりすぎず、こどもたちのストレスとならないよう、長い目でママとしてやさしい気持ちで見守っていきたいですね。
監修:中野康伸[なかの やすのぶ]
中野こどもクリニック院長。医学博士。1994年の開院以来、多くのこどもの健康を見守り、ときに保護者からの育児相談を受けながら、地域に根ざした"ファミリードクター"として活躍。また、育児や教育関連の雑誌や書籍の監修にも多数携わる。
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