健康
少しずつ秋の足音が近づいてきましたね。気温が下がってくると気をつけたいのが、こどもの体調管理。特にぜんそくは秋に出やすいのだとか...。
そこで、国立成育医療研究センターのアレルギー科医長を務める大矢幸弘先生に、ぜんそくについて、ママが知っておくべきことを教えていただきました!
気温が下がり、空気が乾燥する9月から冬までは特に注意を
大矢先生によると、「ぜんそくは慢性のアレルギー疾患。気道にアレルギー性の炎症がおこり、感染や色々な刺激によって気道が狭くなるため、発作が起こると呼吸が苦しくなったり、息を吐くときにゼーゼー、ヒューヒューといった音がします」とのこと。発作を起こしにくくするために毎日投薬したり、日常生活でも気遣ったりと、こどもにもママにも精神的負担が大きい病気なのだそうです。
また、「天気が不安定な季節の変わり目、梅雨や台風の時期は発症しやすくなります。特に9、10月は多いですね。気温が下がり、乾燥する秋〜冬はずっと注意が必要です。体質的になりやすいのは、両親(特にママ)がぜんそくの場合。また、アトピー性皮膚炎の子は、そうでない子に比べて2倍以上発症しやすいというデータもあります。年齢を見ると5歳以下で発症する子が約9割。ただし1〜2歳では診断がつかないことも多くあります」と大矢先生。
ではぜんそくを予防する方法はあるのでしょうか?
「予防法についていろいろな説が流れていますが、実は医学的に効果が証明されているものはないんですよ。強いて言うなら、喉の刺激となるようなタバコの煙や排気ガスを避けること。家族は禁煙し、できれば住居はトラックが多く通る幹線道路沿いでないところを選ぶと良いでしょう」とのこと。
ママの役目は早期発見。「ぜんそくを疑う症状」を見つけたら病院へ!
決定的な予防策がないのは残念ですが、大矢先生は「ママの大事な役目は、ぜんそくの初期症状に気づき、信頼できる医師に相談すること。今は治療のガイドラインが確立していて、初期に吸入ステロイド薬での治療を始めれば、軽症のうちに治すことができます。重症化して入院する子は10年前に比べて、10分の1程度まで減少しているんですよ」と教えてくださいました。
では、早期発見につながる、ぜんそくを疑う症状とはどんなものでしょうか?
1.1カ月以上咳が続く
風邪であれば1〜2週間で治るはず。風邪薬を飲んでいても、咳が長期間続くようなら受診して。
2.朝方の呼吸にゼーゼー、ヒューヒューといった音が混ざる
昼間は交感神経が働いて気道が広がり、普通に呼吸ができてしまうので、病院で診断がつかないことも多いそう。朝、眠っているこどもの背中か胸に耳を押し当て、呼吸音を聞いてみて。息を吐くときにゼーゼーまたはヒューヒューという異音が聞こえたら、その状況をメモして医師に相談を。
3:呼吸が苦しくて起きてしまう
起きたときに呼吸が苦しそうな場合は病院へ。
もしぜんそくになっても、ママが早い段階で気づけば軽症で済む可能性が高くなるのですね。上記の症状3つを覚えておいて、この秋冬に備えましょう!
監修:大矢幸弘先生[おおや ゆきひろ]
東京都世田谷区にある、国立成育医療研究センター・生体防御系内科部アレルギー科医長。専門は小児アレルギー疾患全般で、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどに苦しむこどもの治療にあたっている。「こども自身の免疫力を下げてしまうような余計な薬は出しません」がモットー。
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