健康
秋の気配を感じる今日この頃。夏にママと赤ちゃんを困らせたのはあせもや虫刺されでしたが、これからの季節に気になるのは乾燥ですよね。 そこで秋冬の保湿ケアについて、国立成育医療研究センターの大矢幸弘先生に教えていただきました!
肌の乾燥を放置すると、アトピー性皮膚炎の原因に!?
大矢先生によると、「赤ちゃんの肌の特徴は、大人に比べて皮脂の分泌が少ないこと。肌の一番外側を覆っている皮脂が少ないために水分が失われ、カサカサしがちです。生後1~2カ月頃、皮脂が過剰に分泌されて乳児脂漏性湿疹になることはありますが、これは頭部などに限局した一時的なものなんです」とのこと。赤ちゃんの肌って、ツルツルで弾力があるイメージでしたが、そもそも乾燥肌なんですね。
では、乾燥肌が原因になる健康トラブルはどんなものがあるのでしょう?
「特に秋から冬は、湿度が下がって肌の乾燥が進み、肌のバリア機能が弱まります。軽度のトラブルは、湿疹やかゆみ。これは保湿剤を塗ってバリア機能を高めてあげれば、治ることが多いでしょう。大きなトラブルの代表格は、アトピー性皮膚炎です。アトピーのこどもは乳幼児の約30%くらいですが、そのうちの3〜5割の子は、全身を保湿して乾燥予防していれば発症せずに済んだ可能性があります。ママは、秋口になったら、かゆみや乾燥肌が出る前にこどもの保湿ケアを始めてください」と大矢先生。
保湿不足もアトピー性皮膚炎の原因になるとは! アトピーは寒い地域での発症率が高く、北海道は沖縄県の約2倍なのだそう。秋、冬の乾燥する季節の保湿ケアの大切さがよくわかりますね。
保湿剤は使用感で選んでOK。肌が弱い子は弱酸性タイプをチョイス
ドラッグストアで売られている保湿剤は、ローション、乳液、クリームなどいろいろあって迷いますが...。
「好みの使用感のもので構いませんよ。保湿剤は皮膚に保湿成分が浸透して、肌の内部に水分を蓄えられるようにサポートするもの。トロっとしていると効果が高く、サラっとしていると効果が薄い、ということではないんです」と大矢先生。
成分については、「病院ではヒルドイドソフトを処方することが多いですが、毎日のケアは市販品で十分。ただし、肌が弱い子は尿素系でないものを選びましょう。尿素は保水力が高いのが利点ですが、弱アルカリ性で肌のバリア機能をやや低下させます。皮膚は弱酸性なので、弱酸性タイプを選ぶといいですよ」とアドバイスくださいました。
ちなみに、私は娘に白色ワセリンをよく使っていたのですが、「ワセリンは表面に油の膜を作るだけで、保湿力はありません。いつまでもベタベタしていますし、落ちるたびに塗らないといけませんから、保湿剤のほうが快適に使えるでしょう。万一、保湿剤でかぶれるようなことがあれば、白色ワセリンを試してみるといいですね」とのこと。
毎晩、全身ベタベタ、テカテカに光っていた娘を思い出し、ちょっと申し訳ない気分になりました...。
みなさんはもう保湿ケアを始めていますか?
「乾燥やかゆみが出る前から」が大事なので、まだの人は今日から始めてみてくださいね!
photo:中川正子
監修:大矢幸弘先生[おおや ゆきひろ]
東京都世田谷区にある、国立成育医療研究センター・生体防御系内科部アレルギー科医長。専門は小児アレルギー疾患全般で、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどに苦しむこどもの治療にあたっている。「こども自身の免疫力を下げてしまうような余計な薬は出しません」がモットー。
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