将来の歯並びをキレイに!乳幼児からできる効果的な歯並び管理
2015/10/01

将来の歯並びをキレイに!乳幼児からできる効果的な歯並び管理

歯並びは見た目や歯の健康だけでなく、滑舌や姿勢、呼吸、記憶力、さらにはバランス感覚にも影響を及ぼすそう。近年は矯正に対する意識が高まり、矯正治療をするお子さんが増えているように思います。でも、できれば負担が大きい矯正治療はやらずに済ませたいもの。そこで、乳幼児の今からできる歯並び管理について、長年、小児矯正に携わっている小児歯科専門医の坂部潤先生に話を伺いました。

こどもに合った適切な固さの食材をよく噛んで食べさせる

坂部先生によると「将来の健全な歯並び育成のためには、しっかり口を動かすことが大切」とのこと。それでは、固いものを積極的に食べさせたほうがいいのでしょうか。「いえ、たとえば奥歯がまだ生えていないのに固いものばかりあげていると、丸呑みする癖がついてしまいます。食事は、歯の発達やお子さんの発育に合わせて、適切な固さのものをあげるようにしてください」。こどもにとって適切な食材をよく噛んで食べさせることが大切なのですね。

指しゃぶりやおしゃぶりは3歳までに卒業を

よく指しゃぶりやおしゃぶりをしていると歯並びが悪くなると聞きますよね...。「私たちの歯は継続的に力がかかることで大きな影響を受けます。指しゃぶりは口の中で常に指を吸っていて、ずっと歯を押しているので、わかりやすくいうと出っ歯のようなかみ合わせになることがあります」と坂部先生。
とはいえ、指しゃぶりも3歳未満であれば無理にやめさせることはなく、それほど気にしなくても大丈夫なのだとか。指しゃぶりはこどもの精神安定として必要なこともありますから、3歳の誕生日がきたら4歳までには卒業させるなど、1年ほどかけて徐々にやめさせていくのがよいそうです。ほかに興味をもたせて自然に卒業させるようにしましょう!
ちなみに"3歳までに卒業"というのは、「3歳頃になると乳歯がほぼ生えそろい、口の中の柔軟性が段々と失われていくため、3歳を過ぎても指しゃぶりをしていると歯並びが悪くなる恐れがある」からなのだそうです。

気になる症状があれば専門医に相談を!

矯正治療は通常、小学校以降に始めますが、「反対咬合(受け口)や顎が横にずれる交叉咬合などの場合は、放置する時間が長いと骨格の変形が強調されたり、固定したりすることがあります。そのため、乳歯が揃った段階で早めの治療を開始したほうがいいとされています」とのこと。お子さんの歯並びで気になることがあれば、早めに矯正歯科の専門医に相談してみてください。

矯正治療には専門的な知識と技術が必要ですが、歯科医なら誰でも「矯正歯科」の看板を出すことが可能だそう。そのため、外見だけでは矯正治療の腕を判断することはできないので、口コミで評判の歯科医院を探してほしいとのこと。自分で探す場合は、こどもの歯並びについて的確に説明してくれるか、治療の方法や費用、治療計画をきちんと伝えてくれるかなどをチェックしましょう。

坂部 潤

監修:坂部 潤[さかべ じゅん]

キッズデンタル代表。歯学博士。日本小児歯科学会認定小児歯科専門医。大学病院での小児歯科専門医療の経験や米国UCLA小児矯正科での留学経験を生かし、継続管理型の小児歯科専門医療を行う。雑誌や書籍の監修、テレビ出演なども多数。3児の父でもある。

執筆者プロフィール

窪和子

窪和子

小学生の娘をもつエディター&ライター。育児では寝かしつけが得意。必殺技は"和子窪のつまらない話"。政治や家計の話など、あえてこどもには興味のない話をして眠りに導く。こどもがなかなか寝てくれないとお悩みの方、ぜひお試しを!

将来の歯並びをキレイに!乳幼児からできる効果的な歯並び管理

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