こどもの歯、ちゃんと磨けてる?小児歯科専門医に聞く上手な歯磨きのコツ
2015/10/07

こどもの歯、ちゃんと磨けてる?小児歯科専門医に聞く上手な歯磨きのコツ

こどもの歯磨きは、嫌がったり、暴れたり、泣いたりと毎日てんやわんや。磨くことに精一杯で、「ちゃんと磨けてるかな?」と不安になることも。保育園や幼稚園で歯磨き指導もしているキッズデンタルの坂部潤先生に上手な歯磨きのコツを伺いました。

コツ1:歯磨きスタイルをキメる!

「まず、口の中がしっかり見えるようお子さんを寝かせ、片手で口を開かせ、もう片方の手で歯ブラシを持って磨きます」(図1参考)。抱っこは片手がふさがるのでNGとのこと。「歯ブラシは鉛筆持ちで、横磨きが基本。シャカシャカと音がするくらいの強さで磨いてください」。特に歯と歯の隙間、奥歯の溝、歯と歯茎の境目は虫歯になりやすいので要注意。

歯を磨く順番も固定するといいそう。「人によって"磨き癖"があり、無意識の状態だとよく磨けている部分とそうでない部分が出てしまいます。順序を守って行えば磨き残しがなくなりますよ」(図2参考)。そういえば、私も無意識のうちに同じ部分ばかりを磨いていたかも...。

図1

歯磨きスタイルをキメる!

図2

歯磨きスタイルをキメる!

コツ2:歯磨き粉は使わない

坂部先生によると「歯の汚れや歯垢をとるために歯磨き粉は必ずしも必要ではありません。大人にも言えることですが、むしろ歯磨き粉を使うとしっかり磨かなくても口の中がすっきりして、磨き残しがある恐れも。また、お子さんを寝かせて磨く場合、口の中が泡だらけだと息苦しくなりがちです」。確かに歯磨き粉で口の中が泡だらけになると何となく磨いた気になっちゃうことってあります。反省ですね。

「ただし、お子さんの自分磨きにはキャラクターものや好きな味の歯磨き粉を使って、歯磨きを楽しくするのはいいと思います」。歯磨き粉は上手に使い分けることが大切ですね。

コツ3:嫌がってもあの手この手で磨き上げる!

虫歯ができやすい時期は1歳半〜3歳の間。ちょうど2歳過ぎから始まるイヤイヤ期と重なります。乳歯は虫歯になりやすいと言われていますが、歯磨きを嫌がる時期と重なるのも原因かもしれません。「お子さんの歯磨きは毎日、同じ時間に同じ場所で同じ人が行い、習慣づけることが大切です。嫌がっても必ず行ってほしいですね。3歳までにはどのお子さんも自分から歯磨きをするようになりますよ」。歯磨きが嫌だからといってそのままにしておくといつまでたっても身につかず、長い間手こずることに。そうなると親も子も大変なので、しっかり習慣づけましょう。

「こどもは親のマネをするのが大好きなので、ママやパパがお手本を見せるのもおすすめです」と坂部先生。ほかにも、上手に歯磨きができたらご褒美シールをあげたり、アラームをセットして「30秒だけがんばろうね」と時間を決めたり、あの手この手で乗りきってほしいとのこと。ちなみに、娘が歯磨きをしないで寝てしまったとき、「これでいっか」とやっていたガーゼ磨きは虫歯予防としてはあまり意味がないのだとか...ガーン。

歯磨き嫌いは一時、されど歯磨きの習慣は一生もの。親心全開でこどもの白い歯を守ってあげましょう!

坂部 潤

監修:坂部 潤[さかべ じゅん]

キッズデンタル代表。歯学博士。日本小児歯科学会認定小児歯科専門医。大学病院での小児歯科専門医療の経験や米国UCLA小児矯正科での留学経験を生かし、継続管理型の小児歯科専門医療を行う。雑誌や書籍の監修、テレビ出演なども多数。3児の父でもある。

執筆者プロフィール

窪和子

窪和子

小学生の娘をもつエディター&ライター。育児では寝かしつけが得意。必殺技は"和子窪のつまらない話"。政治や家計の話など、あえてこどもには興味のない話をして眠りに導く。こどもがなかなか寝てくれないとお悩みの方、ぜひお試しを!

こどもの歯、ちゃんと磨けてる?小児歯科専門医に聞く上手な歯磨きのコツ

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