暮らしの知恵
赤ちゃんに「かわいいでちゅね〜」などと、つい赤ちゃん言葉で話しかけてしまったことってないですか? 「なんで自然に赤ちゃん言葉になっちゃうんだろう? 普通に話しかるべき? 」と悩んでいたところ、「アメリカの研究で、赤ちゃん言葉で話しかけたほうが言葉の発達が早くなることがわかった」というニュースを見つけました! そこで、これはアメリカの研究に限ったことなのか、日本語でも同じなのか、発達心理学者の大宮先生に伺うことにしました!
発達にいいのは、いわゆる赤ちゃん言葉ではなく"育児語"
大宮先生によると、「そもそも原文中の"baby talk(ベビートーク)"を"赤ちゃん言葉"と訳してしまうと、誤解が生じるかもしれませんね。ベビートークとは、発達用語で"育児語"。『〜でちゅね』のような言葉遣いは、ベビートークには含まれないんですよ」とのこと。 あら、私、完全に誤解していました...。育児語の特徴は、以下の4つなのだそう。
- ハイピッチ(声の調子が高くなる)
- 短い言葉を繰り返して言う ...「りんごよ、りんご」など
- 大げさにクローズアップする ...「ほら、見て」を、「ほうら! 見て〜! 」など
- ゆっくりしゃべる
「育児語が言葉の発達に役立つ」という研究報告は、すでに日本にも複数あるそうです。 「こうした話し方をすると、赤ちゃんは音を聴き取りやすく、言葉を覚えやすくなるのです。赤ちゃんには、育児語をたくさん使って話しかけてあげるといいですよ」と大宮先生。
育児語は、アメリカや日本に限らず、世界中で見られるものなのだとか。はるか昔から、世界中のママ達が本能的に使っているということかもしれませんね。 ちなみに、大宮先生によると、「〜でちゅね」などの語尾使いは無理に避ける必要はないものの、育児語のような積極的な効果はないとのこと。でも、赤ちゃんには生身の人間が語りかけることが、言葉の発達上とても重要なので、何も話しかけないよりは「〜でちゅね」を使ってでも話しかけたほうがいいそうです。
ワンワン、ブーブーもOK! 会話する楽しさを味わって
では、犬をワンワン、車をブーブーなどと教えるのはどうなのでしょうか? 「こうした情緒的な表現をするのは日本の特徴的な文化です。一度"ワンワン"と覚えたものを、後から"犬"に変換するのは、こどもにとって簡単なことですから、気にしないで使って大丈夫ですよ。むしろ小さな子でも言いやすい言葉で会話の楽しさを味わえるのは、いいことでしょう」と大宮先生。
さらに、赤ちゃんを抱っこしたり、手足を触ったりしながら話しかけてあげるのもオススメだそう。「赤ちゃんの耳はママの声にとても敏感。ママの表情も見せながら、感情豊かに話しかけてあげてくださいね」とアドバイスをくださいました。
私は今回の取材で「育児語」という言葉を知りましたが、育児語は多くのママが自然に使っているものなんですね。だから、ママは毎日笑顔でたくさん話しかけてあげればOK! 私も小さい子と遊ぶときは育児語でいっぱい話しかけちゃおうっと♪
監修:大宮明子[おおみや あきこ]
十文字女子学園大学 人間生活学部幼児教育学科 准教授。専門は発達心理学・認知心理学で、特にこどもの思考の発達、乳幼児期の親子の関わりを研究。主な著書に『幼児期からの論理的思考の発達過程に関する研究』(風間書房)。
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