暮らしの知恵
「うちの子、10まで言えるのに、物の数は数えられないのよね...」というママ友の心配な声。「そのうちすぐに数えられるようになるよー」なんて、先輩ママ風に答えていましたが、確かにこどもがどんな過程で数を学んでいくのか気になるところです。そこで発達心理学者の大宮明子先生に教えていただきました!
順番通りに唱えるのは2〜3歳、数えられるのは4歳台が目安
大宮先生によると、「数を唱えるのも、最初は『1,2,4,3,...』などと間違えたり、自分が言いにくい数を飛ばしたりしますよね。習得年齢の目安は、10までの順序を守って唱えられるようになるのが2〜3歳、10までの個数を数えられるようになるのは4歳台なんですよ」とのこと。
「唱える」と「数える」は習得時期にズレがあるのですね。
数えられるようになるには、次の5つを理解する必要があるそう。
- ひとつのものにひとつの数を対応させる(1対1対応)
- 数え上げた最後の数が個数(集合数)
- 数の順序を守る(1・3・2...のように変えたりしない)
- どこから数えても、個数(集合数)は同じ
- どんなものを数える場合にも使える(人でも、お菓子でも)
「この習得過程には、数の概念に関してこどもの"かわいい間違い"がたくさん見られます。たとえば等間隔で並べた5つのクッキーを2列比べると同じ数だとわかっても、目の前で片方の間隔を離すと、そちらが多いと言うこともあるでしょう」
これを図にすると...
<2列は同じ数>
●●●●●
●●●●●
<上のほうが多い!>
● ● ● ● ●
●●●●●
なんともかわいいですね〜♡
数は自分の"損得"に関わるので自然に学ぶもの。ママは焦らないでOK
並べ方の他にも、
- ものの大きさや種類に惑わされる
- 生活に根付いているもの、好きなものしか数えられない
- 同じものを何度も数えてしまう
- ものを円状に置くと、数え始めの場所で終われずにループしてしまう
- 5以上は「いっぱい」と言う
などの様子もよく見られるそうです。
「上記のような間違いは一時的なことですから心配しないで、ぜひ楽しんで関わってあげてください」と大宮先生。
「お友だちよりミニカーが少ない」「ママよりブドウを多く食べたい」「おもちゃの電車を本物と同じ8両編成にしたい」など、こどもにとって、数は自分の"損得"に関する大事なもの。ママが焦って教え込まなくても、生活や遊びの中で繰り返し、自然と身につけていくものなのだとか。確かに、こどもの世界には数に結びつくことがたくさん! ママはこどもの興味に付き合って、自然に学ばせてあげればいいんですね。
ちなみに、うちの娘はもう小学生で日々計算ドリルと格闘していますが、3歳頃は何かと「ママのほうが多い!」と食べ物の数や量にこだわっていました。そんな様子も記録しておけば、いい思い出になったはず...う〜ん残念。
みなさんには "かわいい間違い"も動画で残しておくことをオススメします!
監修:大宮明子[おおみや あきこ]
十文字女子学園大学 人間生活学部幼児教育学科 准教授。専門は発達心理学・認知心理学で、特にこどもの思考の発達、乳幼児期の親子の関わりを研究。主な著書に『幼児期からの論理的思考の発達過程に関する研究』(風間書房)。
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